冷却時間計算機
肉厚と熱拡散率から冷却時間を計算します。
はじめに
冷却時間計算機は、射出成形の全サイクルタイムの大半を占める冷却工程の所要時間を推定するツールです。冷却時間はサイクルタイム全体の 50〜80% を占め、量産コストと生産性に直結します。冷却時間が短すぎると離型時の変形・反り・ヒケが発生し、長すぎると不必要なサイクルタイム延長でコストが増加します。本計算機は肉厚・溶融温度・金型温度・離型温度・材料熱拡散率を入力して、フーリエの熱伝導方程式に基づく適切な冷却時間の出発点を提示します。
仕組み
冷却時間は tc = (s² / (π² × α)) × ln((4/π) × (Tm − Tw) / (Te − Tw)) で算出します(s:最大肉厚、α:熱拡散率、Tm:溶融温度、Tw:金型温度、Te:離型温度)。材料ごとの熱拡散率(PP≈0.10 mm²/s、ABS≈0.12 mm²/s、PC≈0.13 mm²/s)をプリセットとして内蔵しており、ユーザーは肉厚と温度条件を入力するだけで結果を得られます。金型冷却回路の設計(冷却水孔径・間隔・流量)と組み合わせることで、実際の冷却効率との比較も可能です。
使用シナリオ
- 肉厚 3mm の ABS 部品の冷却時間を算出してサイクルタイム目標値との整合性を確認し、金型冷却回路設計の基準を決める場合。
- 冷却時間を 2 秒短縮するために金型温度を下げた場合の離型後変形リスクを事前に評価する場合。
- PC/ABS アロイ材料に変更する際、熱拡散率の違いによる冷却時間変化を定量化してサイクルタイム再評価を行う場合。
よくある質問
冷却時間計算機はすべての材料に適用できますか?
本ツールは汎用性を備えていますが、使用者はサプライヤーが提供する特定材料のデータシートと結果を必ず照合確認してください。
この結果を公式エンジニアリング文書に使用できますか?
高精度ですが、安全が重要なアプリケーションでは資格を持つエンジニアによる交差検証を行うことをお勧めします。